この記事では、オメガ3脂肪酸(EPA・DHA)の抗炎症作用について、最新のメタ解析論文をもとに科学的に解説します。

オメガ3脂肪酸とは何か

オメガ3脂肪酸は、n-3系多価不飽和脂肪酸の総称です。代表的なものとして、魚油に多く含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)、植物油に含まれるALA(α-リノレン酸)があります。

これらは体内で合成できないため、食事から摂取する必要がある必須脂肪酸です。

炎症メカニズムへの影響

プロスタグランジン産生への介入

EPAはアラキドン酸(オメガ6)と競合し、炎症性メディエーターであるプロスタグランジンE2(PGE2)の産生を相対的に低下させます。これが、オメガ3の抗炎症作用の主要な機序の一つとして提唱されています。

レゾルビンとプロテクチン

EPAおよびDHAは、炎症収束を促進する「スペシャライズド・プロ-レゾルビング・メディエーター(SPMs)」の前駆体でもあります。レゾルビンやプロテクチンと呼ばれるこれらの物質は、過剰な炎症反応を終息させる機能を持つことが示されています。

最新メタ解析の知見

2024年に発表された複数の無作為化比較試験(RCT)のメタ解析では、オメガ3補充がCRP(C反応性タンパク質)やIL-6などの炎症マーカーを有意に低下させることが示されています。ただし、効果量は摂取量・期間・対象者の健康状態によって異なります。

📌 まとめ
  • EPA・DHAはアラキドン酸と競合し、炎症性メディエーターの産生を相対的に抑制する
  • レゾルビン・プロテクチンなどSPMsの前駆体として炎症収束にも関与する
  • メタ解析では炎症マーカーへの有意な低下作用が確認されている
  • 効果は摂取量・期間・個人差に依存するため、万能ではない

参考文献:Calder PC (2024). Omega-3 fatty acids and inflammatory processes: From molecules to man. Biochemical Society Transactions. ※本記事は論文の内容を解説するものであり、特定の食品・サプリメントの効能を保証するものではありません。